漁船ども そこのけそこのけ おいらが通る
 小林一茶の句に「雀の子 そこのけそこのけ 御馬が通る」と言う句があります。

 この度のイージス艦と漁船との衝突事故の報道に接し、この一茶の句を思い出しました。一茶の句には愛嬌があり微笑ましいものを感じますが、それは、雀の子は馬になんか蹴飛ばされるものではないことを承知の上で、早く避けないと危ないよ!という雀の子に対しての深い愛情に満ちているからであります。

 しかし、海上で馬のような大型船と雀の子のような小型船が遭遇する場合は、この句のようにはいかないのであります。ことは人命にかかわります。危険を感じた小型船が雀の子のように急に飛び立つことは出来ないからです。
 
 船が海上で擦れ違うことは多くあります。そのような場合に衝突を避けるために、右側通行の原則。また交差する場合には相手を前方右側に見た船が右側に針路変更し、回避行動をとるというルールが定められているのであります。

 今回の事故は、イージス艦側と漁船団との言い分が食い違っているようですが、相手を前方右側に見ていたイージス艦側に大きな過失があるような気がしてなりません。

 「漁船ども そこのけそこのけ おいらが通る」と言うような驕りがあったように感じるのです。軍艦が通るのが優先で漁船が避けるのが当然であるという驕りであります。

 船舶の往来が激しい海上で、自動操舵に任せて見張りを疎かにしていたとすれば由々しき問題であります。

 国会では石破防衛大臣の責任を追求する動きがありますが、事故発生の責任はイージス艦にあり、艦長の責任であります。また、海上自衛隊が弛んでいるならば海上幕僚長に責任があります。現場の指揮官を厳しく処分することで現場は緊張して引き締まるものです。

 くるくる変わる政治家の防衛大臣の首をすげ替えたところで問題解決にはならないと思います。このような事件では、制服組の現場こそ厳しく処分しなければなりません。

 監視員の厳重処分。艦長の更迭左遷。海上幕僚長の引責更迭こそが、このような事故の再発防止につながると、呆けかかった頭で思うのであります。 
     間違っているでしょうか?

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↑以上の記事は本日午前中に投稿したものです。夕刊を見て驚きました。 
  
 石破防衛相は、吉田栄治海上幕僚長を更迭する方針を固めたと言うことであります。事故発生とともに、福田首相や石破防衛相への第一報が遅れた事故対応の不手際を重視するとのことであります。
 当然の処置であります。

 事故への対応がすべて完了した後に、防衛相は自らの責任の取り方を考えることでしょう。
by bukkin | 2008-02-22 12:10 | 思考・愚考


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