二十四の瞳
 テレビドラマ、黒木 瞳主演の「二十四の瞳」を観ました。
 
 ずーと昔、原作を読んだことがあり、高峰秀子主演の映画を見たこともありますが、新たな感動で、涙がとめどなく流れました。

 映画は、戦場のシーンから始まり、回想シーンとなります。

 舞台は、小豆島の南端。
深い入江に突き出た田浦岬にあった一寒村の分教場へ、昭和初期、女子師範学校を出たばかりの若い女先生が自転車に乗って赴任して来るのです。

 先生は、直ぐに子供たちの心をつかみます。先生と子ども達の心の触れ合いに、微笑ましく感じると同時に込上げるものがありました。

 壺井 栄原作の小説「二十四の瞳」は、戦前から戦後にかけての『 おなご』先生と12人の教え子の心のふれあいを描き、貧しい暮しや戦争の悲惨さが書かれていますが、映画は忠実にそれを再現していました。

 浜辺で子ども達が、悪戯で作った落とし穴に落ち、足を痛めて自宅で療養する大石先生・・・・・

 心配した子供たちが、親には内緒で、先生の家のある8キロ先の一本松まで会いに行く場面がありました。
 泣きべそをかきながら歩く一年生たち・・・・・

 その子ども達が、バスで通院していた先生に偶然出会います。 
「先生の顔みにきたん。遠かったあ・・・・・・」。

 笑っている先生の頬を、とめどなく涙が伝わっていました。

 やがて、時代の流れに場面は暗転いたします。
貧しさゆえに或る女の子は奉公に、男の子たちは召集を受け、兵士として戦地へ赴きます。
 幸せな結婚をした先生もまた、夫の戦死、娘の死と向き合うことになり、時代の波に翻弄されるのです。

 戦後、岬の分校に復職した大石先生のために教え子たちが歓迎会を開くところで映画は終わりますが、出席したのは戦傷で失明した岡田磯吉ら7人、5人いた男の子のうち3人は戦死、女の子も一人は肺結核で亡くなり、一人の消息はわからなくなっています。

 淡々とすすむ物語に、何となく涙がにじみ出るのは何故でしょうか?主題歌のように流れる「浜辺の歌」が心に響くからでしょうか?年をとって涙腺が緩んだせいでしょうか?

 それとも、私がかって教職にあった身からくる感傷からでしょうか・・・・・・

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by bukkin | 2005-08-02 23:46 | ブッキンのつぶやき


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