「十年一昔」に思う
 早いもので定年退職をしてから今年でもう丸十年になります。

 「十年一昔」と言う言葉がありますが、未曽有の大被害をもたらした阪神・淡路大震災は退職を迎えた年の一月十七日でした。

 決して風化させてはならない大災害でしたが、復興ぶりには目を見張るものがあり、「今は昔」の感がいたします。

 この十年間に世の中はどのように動いてきたのでしょうか。見方によって色々あると思いますが、やはり教育の事に考えが及びます。

 確かに改革は進められてきました。しかし、学校週五日制の完全実施、それに伴う学習指導要領の改訂はいまでも釈然としません。

 ゆとり教育で学力低下は起きないと文部科学省は断言してまいりましたが、最近それを翻すかのような発言をしています。

 内容はこれで十分だとされていた学習指導要領を、学力低下が叫ばれだすと学習内容はあくまでも「最低基準」であると方針転換したり、始業前や放課後の補習そして朝の読書の実施、家庭学習(宿題)の必要性などを表明しています。

 これは、懸念されている学力低下に対して、その批判の矛先をかわそうとするもののように思えてなりません。これでは教育現場が混乱するのは明らかです。

 「ゆとりと充実」「個性尊重」「生きる力」等の言葉が虚しく聞こえます。学ぶ内容をやさしいものにし、知識の量・質を落とす事が教育改革なのでしょうか。
 
 これでは我が国の将来を担う子どもたちがどのように育つのか心配です。教育こそが国の未来をつくるのです。資源の乏しい日本が子どもたちの知的水準を低下させるような行政を続けるならば、衰退への道を辿るような気がしてなりません。

 十年後の日本はどうなっているでしょうか。
世界の「落ちこぼれ」にだけはならないようにしたいものです。
by bukkin | 2005-01-19 11:07 | 思考・愚考


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